2024年7月版 クラスメソッド 人事評価制度

2024年7月版 クラスメソッド 人事評価制度

この記事では、2024年7月時点でのクラスメソッドの人事評価制度について紹介します。
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この記事では、2024年7月時点でのクラスメソッドの人事評価制度について紹介します。

人事評価制度の目的

人事評価制度の目的

人事評価制度は事業の成長を促すことを目的としています。事業の成長のためには個人の成長が必要です。そのため、個人の成長を促すことも人事評価制度の目的の1つです。そして、貢献に対して昇格や昇給で報います。

人事評価制度の全体像

人事評価制度は、評価制度・等級制度・報酬制度・目標の設定の4つの要素から成り立っています。

人事評価制度の全体像

評価制度

評価制度は評価の方法について定めた制度です。

3種類の評価軸

クラスメソッドの評価軸は以下の3つです。

  1. マインド評価 : 業務に取り組む際の考え方およびそれらに行動に対する評価
  2. 能力評価 : 業務に取り組む際に必要となる能力の継続的な発揮に対する評価
  3. 成績評価 : 業績、業務改善、発信など際立った成果に対する評価

3層の評価基準

クラスメソッドの評価基準は3層で構成されています。

3種類の評価軸

第1層の評価基準

第1層の評価基準では、部門や職種を問わない全社で共通の評価基準を定めています。

第2層の評価基準

第2層の評価基準では、エンジニアやセールスなど職種グループごとの評価基準を定めています。第2層は個別の職種や部門別の具体的な前提を含まないため、やや抽象度が高めな表現で評価基準を定めています。

第3層の評価基準

第3層の評価基準では、個別の職種や部門別の具体的な前提を含む、より詳細な評価基準を各部の判断で定めることができるようにしています。

クラスメソッドでは、多様な事業があり、多様な職種の人が働いています。これらすべての人を全社で共通の評価基準のみで評価することは難しく、事業や職種に特有な基準を柔軟に取り入れることができるようになっています。

同一の職種のメンバーが一定以上所属している場合は第3層の評価基準の作成を推奨しています。逆に同一職種のメンバーが少ない場合や職務内容の変化が激しい場合については第3層の評価基準のコストパフォーマンスが悪いため、作成しないことを推奨しています。

等級制度

等級制度は組織内で従業員の役割や職務内容や責任に応じて階層的に分類する仕組みです。

クラスメソッドの等級制度には、以下の3つの尺度があります。

等級制度

ロール

ロールは、組織における役割のことです。クラスメソッドには5つのロールがあります。

アソシエイト(一般職)

アソシエイトの責務の例は、主担当者• 後方支援業務• 指示下で業務担当です。

エキスパート(専任職)

エキスパートの責務の例は、深い専門知識• 技術課題解決• 技術リーダーシップです。

スペシャリスト(専門職)

スペシャリストの責務の例は、社内外窓口• ビジネス&テック• コミュニケーションハブです。

マネージャー(管理職)

マネージャーの責務の例は、人事評価 / 育成• •給与査定• 組織作りです。

ディレクター(経営管理職)

ディレクターの責務の例は、経営戦略• 事業戦略• 計画策定です。

ロールの境界

クラスメソッドでは、責務の枠内に収まらない行動が求められます。例えば、マネージャーのロールでも必要ならプレイヤーとして手を動かしますし、スペシャリストのロールでもマネージャーからピープルマネジメントに関わる業務の一部を委譲されることもあります。

ただし、エキスパートのロールは専門分野の技術に優れ、専門領域に特化して活躍するでもキャリアアップしていけるように用意されたロールであるため、ピープルマネジメントに関する業務を担当することはありません。

クラスメソッドにおいて、管理職に進まず技術職の道を進む場合は、スペシャリストかエキスパートのどちらかを選ぶことになります。現状としては、スペシャリストが相対的に多く、エキスパートが少なめです。

グレード

グレードは、仕事をするうえで必要になるマインド・能力に期待する水準を段階的に表したものです。クラスメソッドでは、8段階のグレードがあります。以下の表を参照ください。

グレード 求める水準
G8 ・全社の代表者
・全社の特定分野代表者
・独立採算事業の責任者
G7 主事業内部門の責任者
G6 主事業内部門の副責任者
G5 チームの責任者
G4 チームの副責任者
G3 管理者や専門家の指導の下、自律的に動き、関係者と調整して、主担当者として自身の担当業務をやり遂げる
G2 管理者や主担当の指示の下、業務の一部を受け持ち、やり遂げる
G1 管理者や主担当の指示の下、業務の一部を受け持ち、周囲の助けを得つつ業務を経験する

求める水準のG4以上の内容はマネジメントロールをベースとした記載になっていますが、スペシャリスト・エキスパートに関しては、それぞれの記載と同水準の成果を出すことが求められます。

レベル

レベルは、給与査定を決定するために用いられる尺度です。会社によっては「号棒」などで表現されることもあります。各グレードに下限となる給与が決まっていて、レベル1からスタートし、レベルが上がるたびに給与が1段階上がります。

例えば、1つ上のグレードに求める水準までは到達していないが、今いるグレードで出せる成果の水準がある程度上がった場合、グレードはそのままでレベルのみが上がり、昇給することになります。

評価基準

各グレードに求める評価基準は一覧としてまとめられています。

以下は評価基準の一覧のイメージです。

グレード/評価要素 評価要素1 評価要素2 評価要素3
G8 G8に求める基準 G8に求める基準 G8に求める基準
G7 G7に求める基準 G7に求める基準 G7に求める基準
G2 G2に求める基準 G2に求める基準 G2に求める基準
G1 G1に求める基準 G1に求める基準 G1に求める基準

報酬制度

報酬制度は報酬に関して定めた制度です。人事評価制度との関連においては、給与額および決算賞与額の決定の部分が関わります。

報酬制度

給与額

マインド評価および能力評価をもとに、グレードが決定し、グレードないの位置づけを元にレベルが設定されます。グレード・レベルに応じて給与額が決定されます。

決算賞与額

成績評価をもとに、決算賞与額が決定されます。

目標の設定

クラスメソッドでは、2種類の目標を扱います。

事業の成長に向けた目標

事業の成長に向けた目標を部門・チーム・個人のそれぞれが作成します。部門・チーム・個人の各単位の目標はOKRの形式で設定することになっています。ただし、個人が担当する事業の成長に向けた目標については、各部の方針次第でOKR以外の形式で扱ってもよいことになっています。

各従業員は、部門やチームの目標を踏まえて、自分が事業の成果どの部分に対してどのくらいの貢献をするのかを目標に定めます。目標の進行状況を継続的に確認し、必要に応じて取り組みの軌道修正をしつつ、成果の実現に向けて取り組みます。

個人の成長に向けた目標

個人の成長に向けた目標を各従業員が作成します。

  • 直近の部門・チームの目標の達成に向けて自分が伸ばす必要があること
  • 直近だけではなく、今後より大きな貢献をしていくために自分が伸ばす必要があること
  • 自分のキャリアの展望を踏まえて自分が伸ばす必要があること

これらが重なるような目標を設定し、マインド・能力を伸ばすべく目標の進行状況を継続的に確認し、必要に応じて取り組みの軌道修正をしつつ、自身の成長に向けて取り組みます。

なお、個人の成長に向けた目標ついては、単に知識やスキルを身につけるだけではなく、実務を通して成果を出すところまで求められます。

人事評価のプロセス

評価期間全体を通したプロセスは以下のようになっています。

人事評価のプロセス

目標の設定

評価期間が開始したら、まずは目標を設定します。

中間レビュー

評価期間の中間地点で、目標の進行状況を確認します。うまくいっている部分を確認したり、取り組みの方向修正が必要なら実施します。

なお、中間レビューに限らず普段から進行状況を把握し、必要に応じた方向修正を実施することが推奨されています。

評価

期末に実施される評価のプロセスは以下のようになっています。

評価

自己評価

自分が取り組んだ目標に対して、その達成状況、うまくいった部分、課題感があった部分などについて自己評価をまとめ、主評価者に伝えます。主評価者にとっては1次評価のインプットであるとともに、メンバーとのギャップを把握する材料になります。

1次評価

主評価者は評価対象のメンバーの評価を実施します。グレードの昇格有無、レベルをどれくらい上げるかに関して評価結果および査定結果をまとめます。

部門評価・査定会議

部門に所属する各主評価者が決定した評価結果・査定結果を持ち寄り、グレードの評価や給与の査定に関して評価者によって厳しすぎたり、甘すぎたりしないように調整を実施します。

全社評価・査定会議

各部門が決定した評価結果・査定結果を持ち寄り、グレードの評価や給与の査定に関して部門によって厳しすぎたり、甘すぎたりしないように調整を実施します。ここで決定した内容が最終的な評価結果や査定結果になります。

評価フィードバック

評価結果と査定結果が決定したら、マネージャーからメンバーにその内容をフィードバックします。

なぜ今回の評価結果・査定結果に至ったのかに関して、その理由を説明します。お互いの認識にギャップがあれば、このタイミングで認識を合わせておくことで翌期の目標設定のためのスタートラインを揃えます。

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